いじめ裁判

 昨日、荒川区立小学校で起こった、いじめによる桃子ちゃんの事故についての裁判を傍聴した。
 学校の管理責任を問われた荒川区は、当時の校長を証人にたてた。
 区の弁護士は、最初に、桃子ちゃんが、就学相談で心障学級が適と判断されたにもかかわらず、普通学級に入ったことを強調。・・・障害がある子が普通学級にいて、いじめ事故に遭うのはしかたがないといいたいのだろうか??
 別の弁護士は最後に質問した。
Q:小学校では、毎日のように事故があるのではありませんか
 校長は、我が意を得たりといわんばかりに、こどものいさかいが日常茶飯事であることを強調していた。
 しかし、である。
 小学校の一年生が同じクラスの
①知的障害児を殴った→メガネのフレームがまがり、たんこぶができた。(その後もつねる、殴るを繰り返したと報告されている)
②ダウン症の桃子ちゃんの顔を3箇所鉛筆で刺した→まぶたの上を1針縫う怪我となった
③桃子ちゃんの顔を鍵盤ハーモニカで殴った→目から出血した。
ということを繰り返したのである。しかも、誰も見ていないところで・・・。
 被害にあった子が、母親に話し、担任の先生があとで聞き取りをして、加害の様子を確かめたのだという。
 2年生になるとき、親はクラスを別にして欲しいと学校側に話したが受け入れられず、担任のみが変わった。3学期には隣の席になり、桃子ちゃんが階段からつき落とされるという事故が起こった。その結果、それまで歩いていた桃子ちゃんは四つ這いでしか動けなくなったのである。
 校長は「加害児が何故暴力を振るったか全くわからない。普段は普通の子だった。」と証言。教育センターで治療が必要と言われた加害児がセンターに通わなくなっても、そのまま何の手も打たなかったのである。
 校長からは、障害児に暴力をふるう子どもへ教育的配慮に関する言葉は聞けなかった。わからないの一点張り。
 
 桃子ちゃん裁判のことは、荒川みんなネットHPhttp://www.geocities.jp/aminearakawa/をごらんください。 
 本当に防げなかった事故だろうか。学校現場はこんな重篤な怪我が繰り返されたことを忘れてしまうほど、余裕が無いのだろうか。
 加害を続けた子どもも悲鳴をあげていたのではないのか。弱い者への加害の記憶を抱いて、どのように成長しているのだろう。寄り添ってくれる大人に出会えただろうか。

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