www.chunichi.co.jp/article/aichi/20160528/CK2016052802000052.html 岡崎市議会のセクハラ問題で、被害者の女性議員は二年ほど前にも、別の男性議員から研修先で無理やり抱きつかれる被害に遭っていたことが女性や議会関係者への取材で分かった。女性の抗議に対し、議会側は今回と同様に「個人の問題」としてあいまいに処理。市議会側の対応の甘さが、相次ぐセクハラを助長している可能性がある。 この男性議員は田口正夫議員(62)=三期=で、今回、女性に一方的に性的関係を迫った三浦康宏議員(42)と同じ最大会派の自民清風会に所属し、副議長を務めたこともある。 女性は二〇一四年一月二十七日夜、東京都足立区などへの委員会視察のため宿泊したホテルで、田口議員ら同僚議員四人とホテル内のバーで飲酒をした後、部屋に戻るエレベーターに同乗。最後に女性と田口議員が同じ階で降りた。 女性は田口議員に自分の部屋を見に来いと強く要求され、さらに女性の部屋を見せるよう求められ、後を付けられた。女性が「やめてください」と言っても無理やり部屋に入ってきた。 身の危険を感じた女性は田口議員に自分の部屋に戻るよう求めたが、突然抱きついてきたため大声を出して抵抗すると、部屋を出ていったという。 女性は翌日、別の同僚議員らに相談したほか、視察後に議会事務局に被害を訴えた。田口議員は議会事務局を通じ、いったんは謝罪する意向を示したが、女性が文書の提出を求めると難色を示し、結局謝罪はしなかった。 女性の訴えを受け、双方から話を聞くなどした当時の新海正春議長=現県議=は二十七日の本紙の取材に、「できる限りのことをした。(セクハラがあったかどうかは)当事者しか分からない。両者が決着を付けるべきことではないか」と述べた。 田口議員は二十六日、本紙の「抱きついたのは本当か」との取材に「答えない」と答えた。 三浦議員のセクハラ問題では、今年に入って女性は電話などで何度も、四月末に予定されていた九州の研修先での性的関係を求められた。恐怖を感じた女性は議会事務局と相談して研修を欠席する事態になった。 自民清風会会長の野村康治議員は今月十九日の本紙の取材に「個人的なことで確かめようがない。三浦議員はセクハラを否定しており、真実が明らかになるまで見守りたい」と話した。 蜂須賀喜久好議長は会派の代表者会議を開くなどいったんは対応に乗り出したものの、二十三日の会見で責任追及を断念したと発表。「(女性の訴えで)もし問題が司法の場に移れば、あらためて対応する」と述べた。 ◆「男性同士かばい合い」「議会には道義的責任」 岡崎市議会で女性議員へのセクハラが相次いでいることについて、「トンデモ地方議員の問題」などの著書がある地方自治ジャーナリスト、相川俊英さんは「一般企業なら大問題。企業側は管理責任を問われるし、セクハラをした人は解雇されて当然。地方議会には一般社会の常識から懸け離れた現実がある」と指摘する。 同市議会は男性三十人、女性五人(定数三七、欠員二)。相川さんは「多数派の男性たちが、お互いにかばい合うので自浄作用は期待できない。選挙のたびに有権者がどう判断するかにかかっている」と話す。 女性の性被害問題に詳しい名古屋南部法律事務所の弁護士岡村晴美さんは「セクハラは女性に対する暴力であり、人権侵害行為である」と指摘。「市民の模範となるべき議会には、セクハラのない環境づくりを率先して行う道義的責任があるはずだ」と話す。 被害者の女性が勇気を持って声を上げても、男性からは「女性にすきや落ち度があった」と言われ、泣き寝入りするケースは多いといい、「被害者への責任転嫁は、加害者の利益につながる」と語る。 さらに、「問題が司法の場に移れば対応する」という岡崎市議会の姿勢に対し、「裁判で争えば結論が出るのに一、二年はかかる。十月に改選される岡崎市議会は解決を放棄し、何もしないと言っているのに等しい」と批判した。 女性議員らでつくる全国フェミニスト連盟が昨年公表したアンケートでは、回答に応じた百四十三人の地方議員のうち、半数以上の七十四人が同僚議員や役所の職員から「セクハラを受けたことがある」と答えた。 (帯田祥尚)
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