女性議員増のためにも比例制を〜名古屋宣言

この名古屋宣言は日本の女性解放運動の歴史に残ると思う。その男女での朗読を担当したうちの息子は幸せ者だと母は思うのである。

名古屋宣言
コロナ禍は、女性たちを一層生きづらくしました。真っ先にクビにされる非正規の女性たち。保育・介護 サービスが滞って途方にくれる女性たち。子どものために食事を削るシングルマザー。性産業に追い込まれ る女性・・・。
女性が差別されずのびのび生きられる社会は、子どもにはもちろん多くの男性にとっても幸せな社会です。 しかし当事者である女性が議会に余りに少ないため、女性の声を受けとめた公的しくみは、一向に日の目を 見ません。
日本女性が初めて参政権を行使した 1946 年 4 月 10 日、39 人の女性が当選しました。女性が衆議院の 8.4%を占めた日本は、女性議員の最も多い国の一つでした(注 1)。
しかし現在 9.7%にすぎません。一方、世界の女性議員は 26%に伸び、日本は世界 166 位へと転落しまし た(注 2)。地方議会においても、日本は 14.5%であり(注 3)、世界平均 36%(注 4)にはるかに及びませ ん。ここ愛知県議会も 100 人中女性はわずか 6 人です(注 5)。
理由ははっきりしています。世界各国は、選挙制度改革やクオータ制導入等によって政治分野の男女平等 を進めてきました。しかるに日本は、こうした世界の歴史に背を向けてきました。戦後直後の「大選挙区・ 連記制」から、「中選挙区・単記制」へ、そして「小選挙区比例代表並立制」へと変えて、しかも女性が当選 しやすい比例区の定数削減さえしてきました(注 6)。日本政府は、女性差別撤廃条約を 1985 年に批准しなが ら、男女平等社会実現への責務を果たしてこなかったのです。
女性参政権 76 年を記念する 2022 年 4 月 10 日、日本列島の真ん中・名古屋に集まった私たちは、“市民社 会の鏡であるべき議会” の半数を女性に、と熱望し、ここに宣言します。
ひとつ:男性偏重の一強政治を生む小選挙区制中心の選挙から、民意を反映する比例代表制中心の選挙をめ ざそう
ひとつ:政党に男女同数候補者を完全に実施させるため「候補者男女均等法」の法改正をめざそう ひとつ:来るべき参院選では、支持政党の女性候補に 1 票を入れよう。女性がいないなら女性候補の
擁立を要求しよう
ひとつ:女性議員が、1 人もいない「女性ゼロ議会」、1 人しかいない「女性ひとり議会」をなくそう ひとつ:結果として女性の立候補を阻み女性議員増につながらない現選挙制度を修正または廃止し、暫定的
特別措置など全ての適当な措置(立法を含む)をとるよう、政府に要求しよう
2022 年 4 月 10 日
「女性参政権 76 年 増やそう!女性議員を」参加者一同
注1 スウェーデン 8%程度(2022/3/29 ス大使館直接取材)、フィンランド 9%、デンマーク 5.4%、ノルウェー4.7%、アイスランド 1.9%。
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fdata.ipu.org%2Fsites%2Fdefault%2Ffiles%2Fother-
datasets%2Fwomen_in_parliament-historical_database-1945_to_2018.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK
注2 IPU、2022 年 3 月 1 日現在。日本は 45 人で 465 人中 9.7%。https://data.ipu.org/women-ranking?month=3&year=2022
注3 https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/pdf/map_chihougikai.pdf
注4 https://intelligence.weforum.org/topics/a1Gb00000015Hi2EAE/key-issues/a1Gb0000001hYkeEAE
注5 この 2 月、補欠選挙で女性が当選して 6 人に増えた(注 3 の根拠である内閣府調査時点では 5 人だった)
注6 比例区は 200➔180➔176 へと年々減らされてきた。しかも小選挙区落選者が比例区で復活当選できるようにされている。

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