2017年度荒川区一般会計決算に辛口の意見をつけて賛成

市民の会 瀬野喜代です。私は2017年度荒川区一般会計歳入歳出決算の認定について賛成の討論を行います。
荒川区基本計画には「真の豊かさにつながる区民の幸福度の向上こそが区政の役割であるという考え方の下、グロス・アラカワ・ハッピネス=荒川区民総幸福度という尺度を区政に取り入れ、区民とのパートナーシップを大切にした区民に信頼される質の高い区政を推進していきます」と書かれています。
しかし、西日暮里二丁目北児童遊園の廃止をめぐる区の動きは、議会に条例提案した後に区民への説明会をおこなうという「質の低い区政」でありました。まさに区民の信頼を裏切り、区民を不幸に陥れる区政でありました。区民の糾弾に対し、謝罪の表明があったので、今後、このようなことは二度としないであろうと期待して、決算の認定に賛成するものです。
 荒川区自治総合研究所は、自然体験により磨かれた子どもの感性は生きる力をはぐくむと研究成果を発表しました。身近な自然との触れ合いが大切と区も表明しています。西日暮里5丁目にはすでに公園は無く、今回、西日暮里2丁目からも公園をなくしてしまうということは、この、日暮里地域に多数存在する園庭のない保育園や保育ママさんに預けられている子どもたちから、貴重な散歩の行く先を奪い、自然体験の機会を奪うことになります。緑のある公園は、大人にとっても癒しの場であり、憩いの場です。公園をなくすことは区民の幸福度を下げます。対策を考えるべきだと私は思います。
 美人画で有名な竹久夢二は関東大震災に際し次のように書いています。「邪魔者にした上野の森やしのばず池や愛宕の山がどれほど火事を防いでくれたか。次の東京は緑の都市でなくてはならない」地球環境保護のためにも、防災減災の観点からも、緑を増やすことはこの、住宅密集地である荒川区ではとても大切なことであるはずです。
 この間、貧困の連鎖を断とうという活動が活発です。私はさらに「緑の貧困の連鎖」に注目しています。緑の少ない街で育った人々は緑の中で暮らすことのすばらしさを実感できない、緑が少なくて当たり前なのです。悲しいことに。私はこの荒川区の緑が少なくて公園が少なくて当たり前という連鎖を断ち切ろうと呼びかけます。区としても緑化推進を掲げているわけですから、区の努力を求めます。
 また、公共施設の長寿命化をめざすと区は言っていますが、今、解体しているピアホームは築45年、まだまだ使える建物でした。区は改修工事のほうが割高になると試算しましたが、その数字は、近所の一級建築士に見てもらったところ「デタラメ」という評価でした。この間のふれあい館の建て方の説明も二転三転し、区への失望が広がっています。区民への説明は正確であるべきです。荒川区は区政に関する情報提供の拡充と区民参画・協働の推進をうたっているのですから、誠実に区民と向き合うべきだと思います。
 以上の意見をつけて、決算の認定に賛成いたします。

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