定例会終了・・奨学金の成績要件

080701_1401~01.JPG  ホタルブクロ
 昨日、第2回定例議会が終わった。荒川区議会永年在職議員表彰(25年)と全国市議会議長会議員表彰(15年)があったが、希望したのは、自民党のみ。公明党・共産党は辞退した。
 可決された議案のうち、特別区税条例の一部を改正する条例には反対(ふるさと納税のような中途半端な地方との格差是正ではだめよ!)。奨学資金貸付条例には、私は次のような賛成討論を行った。
 今回の改正は、東京都育英資金等の貸付制度との重複を整理し、金額が不足している入学資金の貸付限度額を引き上げるものですから、時勢にかなったものであると考えます。その上で、今後の課題を指摘したいと思います。
ひとつは、貸付金の回収についてです。昨年度の包括外部監査で縷々指摘されているところですが、区民感情として、回収にそれほど熱心でない行政への不信は大きいということは申し上げたいと思います。早急に対策を講じ、報告をお願いしたいと思います。
 もうひとつは、「成績優秀、心身健全にして、経済的理由により修学困難な者であること」という資格要件の検討です。将来の荒川区を指導的に担う若者への支援という位置づけだとうかがいましたが、中学校時代に成績が3以上であるという目安が、将来の活躍を約束するものだとは思えません。中学時代の成績が悪く不良だった若者が、成功を収めた例はいっぱいあります。ましてや、高校進学があたりまえの時代、高校を卒業していないと就職もままならないとも言われています。親の経済格差が子どもの学力に大きく影響することが問題になっている昨今、あらためて成績要件が必要なのかどうか、今後の検討を期待します。


 さらにいえば、知的障がいのある若者は、親に経済力がないと、高校にいけないという想定が成り立ちます。東京都の育英資金には、成績要件はありませんが、入学資金の貸付制度がありません。荒川区奨学資金の申し込みができなかった人が、都の制度で区が窓口になっている母子福祉資金をかりる例があるようです。この制度は、父子家庭や祖父あるいは祖父母に養育されている家庭は対象になりません。母あるいは祖母のみに養育されている場合を対象としているそうです。矛盾を感じます。
 改めて、教育資金を無利子で借りるいろいろな制度がありますが、どの制度の対象にもならない低所得家庭が、あってはならないと思います。区民に一番身近な行政として奨学金制度を整備し、窓口で案内できる体制を整えていただきたいと思います。
さらに、付け加えるならば、親の経済的困難だけが原因ではないとは思いますが、高校中退のこどもたちの実態を区では調査していないとうかがいました。今後の課題として、高校中退の子どもたちへの相談・支援を検討していただくようお願いして、賛成討論と致します。

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