無料塾

 今朝の朝日新聞一面で紹介された荒川区の無料塾は「あらかわ文化村時習塾」と名付けられ、毎週月曜・木曜は、英語を社長室で、火曜は数学を旧真土小学校地域解放室で行っている。
 友人からの「荒川区には無料塾はないの?」という電話がきっかけだった。こどもの貧困問題について考えていて、できたらいいなと思っていた。何人かの知人にやらないかと声をかけても断られていた。
 だったら、「私が教えてあげる」と、とにかく始めることにした。必要としている15歳が現にいるのである。生活保護でも塾代は出るし、社会福祉協議会で貸付(高校入学したら返済免除)もあるが、利用できない場合もあるのが現状。
 学生時代のアルバイト以来、30年ぶりに二次方程式を解いたりして不安だったが、ボランティアの先生も見つかり、継続できている。できたら、もっと先生が欲しいので、募集中である。
 気づいたのは、等式や比例を理解していないこと。簡単な計算に非常に時間がかかったり、間違えたりするなど、小学校の学力が定着していない。勉強する習慣がないこと。
 教育委員会等で、先生たちにいろいろ相談するのだが、「私も個人的に教えましたよ」「分数の問題は入試に出ないから整数の問題を練習したらいいですよ」「退職した先生もいろいろすでに忙しくてね」・・・・
 学校の先生たちはあまりにも忙しいし・・・。
 ずっとこの子たちは授業が分からなくてもおとなしく座っていたのだろう。荒川区でも習熟度学習が低学力対策だとしておこなっているが、やはり、すべてのこどもたちの学力定着には届いていないようだ。
 塾でアルバイトをしている息子が言う。
 必要なのは教える技術じゃなくて、やる気にさせる人間関係だよ。
 思わず納得してしまった。
 

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