普通学級に在籍する障がい児の教育について

区議会議員になってもうすぐ8年。自分が主張してきたことを振り返りつつ、前に進むことが必要だと思う。6年前の一般質問だが、どれだけ区政が変わったか、検証しつつ取り組みたい。
普通学級に在籍する障がい児の教育について
        (2001年第2回定例会の一般質問から)
ことし一月十五日、文部科学省から二十一世紀の特殊教育のあり方に関
する調査研究協力者会議の最終報告が出されました。その中でもノーマラ
イゼーションの進展に向け、障害のある児童・生徒等の視点に立って、一
人一人のニーズを把握し、必要な支援を行うという基本方針がうたわれ、
教育、福祉、医療、労働等が一体となって、乳幼児期から学校卒業まで、
障害のある子供及びその保護者等に対する相談及び支援を行う体制を整
備するとされています。普通学級を選んだからといって、何のサービスも提
供しないなどということが許されていいはずがありません。例えば障害児
を普通学級に快く受け入れ、補助教員を配置すれば、障害児だけでなく、
周りの子供たちのサポートも可能になります。
荒川区でもぜひ区民の要望を受け入れ、
普通学級に在籍する障害児の
教育サービスの研究を、
保護者とともに始めていただきたいと思いますが、
いかがでしょうか。

  


ノーマライゼーション社会、すなわち、障害があっても、なくて
も地域で生きていける社会の実現のための施策について伺います。
 一九九三年の国連総会において、障害者の機会均等化に関する基準規則
により統合教育の奨励が決議され、日本でも通級指導が制度化されました。
翌年、ユネスコのサマランカ宣言では、インクルーシブ教育、包括教育と
も訳されますが、すなわち、障害児を含むすべての子供が、地域の普通学
級で一人一人のニーズに合った教育を受ける権利を有するとされています。
 
   今、学校現場でいじめをなくそうという教育が行われています。いじめ
をなくすかぎは、人は皆違うもの、違うことこそすばらしいと言える、一
人一人の個性を認め合う思想を共有することです。障害児が普通学級にい
ると、いじめられる例がありますが、いろいろな子がいて当たり前、お互
いに助け合っていくんだよという教育が実践されていればあり得ないこと
です。地域の学校から障害児を排除している今の教育にこそ、いじめを生
み出す原因があると思います。
 
    このたび改定された学校教育法、社会教育法の中で、ボランティアを含
む奉仕体験活動の充実が努力義務となりましたが、わざわざ外に出かける
のであれば、自分たちの学校に障害児を受け入れ、日常的にともに生きる
共生を実践すればいいのにと思わざるを得ません。
 
    この荒川区においては、保護者の強い希望により普通学級に通っている
障害児が大勢います。地域でこの子は生きていくのだから、地域の人たち、
子供たちに理解してもらい、触れ合う中で生きていくしかないんだという
親の選択は間違っているでしょうか。今や施設に障害者を閉じ込めておく
時代ではありません。国際的にも当たり前の考え方です。しかし、残念な
がら、荒川区には普通学級を選んだ障害児の、その子のニーズに合った教
育を保障するサービスはありません。
 
   ことし一月十五日、文部科学省から二十一世紀の特殊教育のあり方に関
する調査研究協力者会議の最終報告が出されました。その中でもノーマラ
イゼーションの進展に向け、障害のある児童・生徒等の視点に立って、一
人一人のニーズを把握し、必要な支援を行うという基本方針がうたわれ、
教育、福祉、医療、労働等が一体となって、乳幼児期から学校卒業まで、
障害のある子供及びその保護者等に対する相談及び支援を行う体制を整備
するとされています。普通学級を選んだからといって、何のサービスも提
供しないなどということが許されていいはずがありません。例えば障害児
を普通学級に快く受け入れ、補助教員を配置すれば、障害児だけでなく、
周りの子供たちのサポートも可能になります。荒川区でもぜひ区民の要望
を受け入れ、普通学級に在籍する障害児の教育サービスの研究を、保護者
とともに始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(教育長答弁)教育に関する御質問のうち、まず、障害児の普
通学級への就学についての御質問にお答えいたします。
 障害を持つ子供たちの教育につきましては、その子たちが将来健常者と
ともに生きることが可能となるよう、一人一人の子供の障害の種類や程度
などを考慮し、発達段階に応じてきめ細かく指導していくことが大事なこ
とと考えております。
 こうした考え方に立ちまして現在、障害児教育を、養護学校、区の設置
する心障学級、そして普通学級という形の中できめ細かな指導が行われて
いると理解をしているところでございます。
 障害を持つすべての子供たちを普通学級に就学させることが、他の児童
・生徒も含めて、すべての子供たちの学力や心の育成にとって理想的な教
育環境と言い切ることにつきましては疑問を感じるところでございます。
むしろ、個々の障害の程度等に応じた制度としてある現在の障害児教育の
方がよりすぐれているのではないかと考えているところでございます。
 また、障害を持つ児童が普通学級で学ぶに当たり、補助員の設置が必要
かどうかにつきましては、普通学級での対応については困難があるという
ふうに理解しておりまして、個別の対応の問題に理解をいたしております。
 次に、就学相談に関する御質問でございますが、児童・生徒の障害の種
類や程度、発達の状況、今後の指導のあり方などにわたります就学相談と
いいますものは、子供たちの状況をよく理解し、保護者の気持ちも汲み取
り、親身になってなされなければならないものと考えております。また、
必要な情報を常に手元に置いて、これを提供し、判断をいただくというこ
とも大事な役割と考えます。今後、こうしたことを心がけ、相談に当たっ
てまいりたいと考えております。

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