「0~5歳児の保育教育が人生を左右する」という研究を区政に提言~一般質問

 区内保育園幼稚園に行っていない3~5歳児382人もいるそうだ。区は実態を把握していない。
1、 子どもの貧困対策を問う
(1)0~3歳 はいはいタイム等参加率の把握と向上
(2)誕生日会への招待(ふれあい館・図書館・保育園・幼稚園など)事業
(3)保育園・幼稚園に入っていない子どもの把握と自主保育の支援
(4)子育て仲間づくりの支援強化
(5)保健室での朝ごはん欠食児童の支援
(6)生活保護家庭子ども支援員の配置
こどもの貧困について質問します。
荒川区職員ビジネスカレッジで、国立社会保障・人口問題研究所の阿部 彩さんの講演を聞いた方も多いと思います。阿部さんは、就学前教育が注目されている、貧困家庭を訪問して親子を支援する事業に効果があるとお話になりました。おそらく、区の中でも検討が始まっているのではないかと思います。こどもの貧困問題の第一人者である阿部彩さんを招いて、取り組んでいる荒川区は全国から注目されていますので、全国の先頭をきっての施策展開を期待します。
アメリカのペリー・プレスクール・プロジェクトは貧困家庭のこどもたちのその後の人生を劇的に改善しました。PISA学力到達度調査でトップを誇る北欧諸国で落ちこぼれが減ったのは、すべての子どもに保育を提供してからだと言われています。もちろん、日本のように、長時間保育園に子どもを預ける形ではないでしょうが。
 乳幼児期から質の高い保育・教育にふれることが、生きる力を育み、豊かな人生を自分で作りだす力となるということでしょうか。
 最近の日本の子育て事情をみてみますと、子育てに熱心に取り組む層とそうでない層とに格差が広がっているように思います。熱心な親は、赤ちゃんの目を見て、いっぱい語りかけ、寝るときは絵本を読んであげるでしょう。子どもの感性が育ちます。しかし、授乳中も、公園で子どもと遊んでいる時も携帯電話やスマートフォンを離さない親たちがいます。携帯ゲームの画面に子守りをさせている親もいます。区が絵本を提供しても、実際に読み聞かせをしているかどうかはわかりません。
 ですから、荒川区が今、保育園や幼稚園やふれあい館や図書館で提供している質の高い保育・教育をすべての子どもにどのようにいきわたらせるかが、問われていると思います。保育園の待機児の状況をみますと、正社員優先です。母子家庭は優先されていますが、働く力がなかったり、不安定雇用でしか働けない貧困層は排除されています。
このような現状を改善するために、子どもの貧困対策の第一は、乳幼児に質の高い保育・教育を提供することであるという観点から次の質問をいたします。
(1)0~3歳を対象に はいはいタイム等がふれあい館などで行われていますが、その、参加率を把握していますか。参加率向上のための努力はどのように行われていますか。
(2)向上策の一つとして、ふれあい館・図書館・保育園・幼稚園などでの誕生日会への招待状を発送し、閉じこもりがちな家庭へ働きかけを行ってはいかがでしょう。
(3)保育園・幼稚園に入っていない3~5歳児は382人。どのようにすごしているかを把握し、質の高い保育・教育にふれてもらう誘導はできませんか。また、共同保育をしながら熱心に自前で質の高い保育を実践している自主保育のグループへの支援を強化することが必要ではありませんか。

次に、乳幼児期の子育て仲間づくりの支援強化についてうかがいます。保育園・幼稚園時代に子どもを預け合った子育て仲間の信頼関係は一生続きます。少しのことなら、行政に頼るのではなく、友達同士で預け合う関係が、最近は減ってきているようです。保育園・幼稚園での仲間づくりとともに、健診や講演会、はいはいタイムなどで、時間を共にした親子達で仲間づくりができるような誘導策をおねがいしたいと思いますが、いかがでしょうか

次に、朝ごはんを食べない子どもたちへの支援について伺います。何故、朝ごはんを食べてこないのか、担任は把握しているでしょうか。親が朝ごはんを用意しない家庭の子どもたちには、ひとりひとり事情を聞きながら、自分で朝ごはんを用意する力をつけることが必要です。おなかが減って保健室で休む子どもがいる以上、保健室でクッキーと牛乳などを食べさせることもあるだろうと思います。何より、家庭の事情に応じた支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。

次に、とりわけ、貧困の連鎖を防ぐために、生活保護家庭の子どもたちへの支援についてうかがいます。神奈川県では、子どもと接して支援する子ども支援員を配置しているそうです。勉強に、あるいは何かしらの習いごとやスポーツに、得意な分野を伸ばしていくには励ましが必要です。区のケースワーカーはひとり100世帯を担当しています。子どもと語り、励ます時間があるとは思えませんし、全員が子ども相手に長けているとは思えません。ぜひ、子ども支援員の配置を検討してください。

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